不動産売買の仲介はそんなに簡単なものではありません。

売主が依頼する仲介者のことを“値付け業者(値付)”と言い、買主が依頼する仲介者のことを“客付け業者(客付)”と言います。値付は、売主の希望を最大限に実現しなければなりませんし、価格など条件にギャップがありますと客付と何回交渉しても成約するものではありません。又、投資収益不動産の仲介となりますと、客付は買主に対し物件の価格をDCF法(収益還元法)に基づき提案し、何度も何度も不動産キャッシュフロー表を作成しレバレッジ効果や内部収益率(IRR)等も提案しなければなりません。更に、リスク分析、事業承継対策(CRE)や出口戦略まで提案しなければならないケースもあるわけです。決して宅地建物取引士の免許だけで完結できるものではありません。少なくとも下記9の専門業者の協力・提案が必要になってくるのです。

1)税理士(会計士)
2)司法書士
3)弁護士
4)土地家屋調査士
5)不動産鑑定士
6)建築士
7)銀行
8)証券
9)保険

つまり、実績(経験)と調査・分析など提案力がなければ買主のゴーサインは出ないと言うことです。マッチングと言いますが、このIT社会の中、不動産情報を一杯集めて右から左へ回すだけでは何の役にも立ちません。買主はそれなりにかなりの市場分析力を持っておりますのでそれに勝る実績(経験)と提案力に基づく交渉力が必要になるわけです。

但し、標記9の専門業者に依頼する内容によっては有償になる場合もありますので極力経費を抑えることが出来るネットワークを構築することも課題となります。これら専門業者を取りまとめる役割を不動産コンサルティングマスターがしているケースが最近、増えているようです。双方の折り合いがつきその証として宅建業者が行う所定の契約書や重要事項の説明など契約業務は、一つの案件を纏めるのにどれだけの時間がかかるのかということを考えると不動産仲介業務全行程の最後のほんの一部にすぎません。

更に、取引が海外不動産となりますと海外の9の専門業者とのネットワークを持つことが必要となります。国内不動産でも相手方が外国籍の個人・法人の場合もあり当然に不動産にまつわる最低限の語学力は必要となります。